ベストピア
月刊ベストピア

2009年10月号 第272号

書き残しておきたいこと

1.新政権に期待できること

 愈々新政権がスタートする。8月30日からスタート迄のマスコミの報道は、民主党の欠点をあげることに力を注ぎ、期待する姿勢があまり見られなかった。

(1)藤井裕久氏の発言

 しかし、私は藤井裕久氏の発言に注目し、大いなる期待をしている。氏が繰返しテレビで主張された、財源捻出の方法は心からうなずけるものである。 それを裏付ける新聞報道が、9月9日にあった。「2006年度国家公務員が天下りした法人数は4,700社。 その多くは中央省庁が所管する特殊法人や独立行政法人等の公益法人である。その人数は約28,000人という。交付金は12兆6,000億円で、5%消費税の徴収額に匹敵する」。
 これを無くせば、今の消費税を10%にしたのと同じ効果があると言える。
 これは所謂特別会計の一つであるが、その特別会計の純計ベース(二重計算を除外)は180兆円と言われる。 国の一般会計の予算は80兆円だから、その2.25倍が「官のサイフ」で、国会の審議を経ていない予算である。
 藤井裕久氏は、これを断つと強調される。困難は山積であろうが、是非断行してもらいたい。そのことによってのみ、4年間の消費税率は5%のまま据置が可能となる。

(2)長妻昭氏の発言

 氏は消えた年金問題を発見し徹底追及した「官僚が最も嫌がる政治家」と言われているが、 国土交通省関連の特殊法人の常識外れの無駄遣いや会計検査院の大甘検査と天下りの関係など、官僚機構の闇を暴いている。
 HAT-KZ(ハットカズ)システムという新しい言葉も生み出した。それは税金の浪費を自動的に生み出す日本特有のシステムへの批判であった。
  H・・・ひも付き補助金
  A・・・天下り
  T・・・特別会計
  K・・・官製談合
  Z・・・随意契約
これを打ち破ることは藤井氏の考えと軌を一にしている。

~天下り先の受注額28倍![会計検査院]~

 会計検査院が、独立行政法人と公益法人などの間で結んだ随意契約(07年から08年度)の状況を調査した結果、 独法OBが再就職している法人は、在籍OBがいない法人に比べて1法人当たりの契約件数が7~8倍、受注金額が約25~28倍にも上がっていることが、18日に分かった。
 コスト高につながるとの批判が強い随意契約を天下り先との間で多用している独法の実態が浮き彫りになったことで、 「天下り根絶」を掲げる鳩山政権の対応が注目される(日刊ゲンダイ2009.9.21より)。

(3)次官が消えただけでも大転換

 9月14日の夜のテレビは、明治時代から続いてきた次官会議の最終場面を放映していた。世に言う官僚主導など無かった言う次官もいた。官僚主導の全てが否定されることでは無い。 それは、TBSの「官僚たちの夏」(原作 城山三郎)でも理解できる。
 そのシステムを壊し、新しい創造に取組む新政権に頑張ってもらいたいし、期待し応援したいと思う。
 応援すると言うことは、変革過程で全ての人々が蒙る不慣れや不便さを忍耐することである。100日で色々な施策が出てくると思われるが、それが実行され、 成果が現れるには数年かかる。自民党政権の残した、負の置き土産を解消しなければならないから100日ではさしたることは出来ない。私は1000日必要と思う。石の上にも三年である。
 それを非難して足を引っ張ることは誰にもできる。しかしそのような愚かなところに、もうこの国に未来はない。
 とどまっていては、改革は半ばに至る前に「昔を惜しむ」誘惑に負けてしまうことを知っておかねばならない。後戻りには、何の栄光も無いことを心して出発せねばならない。
 新政権は掲げたマニュフェストを理念として、毅然たる「職業としての政治家」(マックスウェーバ)の手腕を発揮し、日本を平和で安心して暮らせる国にしてもらいたい。

(4)新内閣の平均年齢は60.7歳

 非常に良い数字のように感じる。熟練とエネルギー溢れる若手、40代が2人いるとこは世代交代が進んでいることを示すものである。 長妻昭氏の厚労相は抜擢人事と言われるが、これ以外は考えられない、創造的破壊(シュンペーター)をするには、エネルギー(情熱)と信念が必要です。 破壊するだけでは駄目で、その先の理念・筋道や希望・夢の実現を創造しなければなりません。 保守の意識を埋め込まれている人々の多いところでは、現状を少し変えることだけでも大きく厚い抵抗の壁があります。 ベルリンの壁もそのような堅いものでしたが、民衆の熱情によって今日のドイツに在ります。
 現在NHKで放映中の「再生の街」(土曜日21:00)は国民全てが必見する価値があります。
 困り果てる弱者に希望を持たせるリーダーシップが、政治・行政には欠かせないことをよく訴えているドラマである。

(5)新政権の前に問題は山積

 (a) まず新型インフルエンザ、弱毒性から強毒性への変異が完了しているようで、秋から冬にかけて、かつての厚生労働省が発表した死者64万人という脅威。
 (b) 円高と株安。理論値では考えられない現象が起こりそうである。世界経済が上向いていると信じられる人が羨ましい。今の状勢を見れば経済を楽観できることは何一つ無い。
 (c) 中東情勢と石油問題。ここには核が内在しており、北朝鮮問題と絡んで、日本が核を保有すべしとの意見が噴出する。 バックグラウンドが整う。核保有をめぐる問題が避けられなくなる。社民党がどこまで頑張れるかも新政権の見所であると私は考えている。

 

2.勝田朝美姉の退職

 書き留めねばならないことは、勝田姉の退職(2009年9月30日)である。私の最後の秘書として5年前に旧事務所に入所。 気紛れでせっかちな私の世話を期待通りにしてくれ、満点の秘書に成長していた。その矢先に、私が急遽合併を決断したことによって、彼女は人に言えない苦労をすることになった。 誠に申し訳ないと思っている。
 私と共に歴史の転換点を体験したことで再に大きく成長してくれたと信じている。
 勝田姉の仕事はスピードがものすごく速く、いつも私に驚きを感じさせてくれた。あっという間に出来上がる、又、土日の仕事の無理も聞いてくれる。信頼の置ける同胞であった。
 本年4月5日めでたく結婚され、姓が倉島と変わられたが、私は最後の日まで旧姓で押し通した。
 結婚で住所地が遠くなり退職することになる。
 彼女によりベストピアもこの号が最後となる。遅くなる原稿に愚痴ひとつ言わず待ち忍んでくれ、継続に協力してくれたことに深く感謝している。
 ベストピアは今年に入って「です」「ます」調から「ある」「である」に変えた。私の中にも抵抗感が未だ残っているが彼女もとても戸惑ったと感じている。
 彼女の最後の仕事を意識して、8月号、9月号は非常に長い文章にした。もう二度と出来ないだろうと思って、城山三郎氏の二つの小説を詳細にまとめた長編である。
 そして、彼女がベストピアを最も理解してくれたひとりであった。
 健康に留意され、新しい環境の中で自分らしさを大切にして生きてもらいたいと期待している。長い間ありがとう。

 

3.民間給与過去最大下落 (9月25日発表)

 国税庁が毎年発表している民間給与実態統計調査によると、昨年(平成20年分)の平均は429万6000円。 平成19年比較で76,000円下回り、下落率・下落額ともに過去最大となった。
 給与額は1980年の425万2000円に次ぐ18年ぶりの低水準であった。
 昨年まで常にトップであった金融・保険業に勤める人の下落が特に大きい。 平成19年は691万円だったのが、平成20年分は649万円と42万円のダウンで、トップの座が電気ガス熱供給業(675万円)に奪われた。上記には公務員は含まれていない。

 

4.名古屋市職員年収5.05%減 (9月5日)

 名古屋市人事委員会は9月7日、09年度の市職員給与を月2.99%、期末勤務手当てを0.35ヶ月それぞれ引き下げ、平均年収で5.05%減とするように市長と市議会議長に勧告した。
 勧告通り実施された場合、一般行政職(平均年齢43歳4ヶ月 平均勤続20年10ヶ月)の平均年収は35万4942円減の667万8629円となる。
 国の人事院勧告は月給を0.22%、期末勤務手当0.35ヶ月分引き下げ、平均年収で2.4%減を求めた。
 公務員の給与の実態は上記のような発表が多く、一つの市の全体像すら明確にならないという特徴がある。
 情報公開が進んでいない。数字は分母のとり方、分子のとり方でどのような理屈もつけられることを、国民は知っておく必要がある。