2007年4月号 第254号
1.情報の徹底
お節介な話で恐縮ですが、情報の受信格差が感じられますので、あえて多数の人が熟知している話を取り上げます。 政府も本腰を入れてきているようですから、私たちも真剣に対応した方がいいと考えます。
(1) 新型インフルエンザの発生
東南アジアを中心に鳥インフルエンザ(H5N1)が、猛威をふるいはじめている。 人への被害も相次ぎ、インドネシアなど14ヶ国で約230人が死亡した。新型インフルエンザは、鳥インフルエンザが変化し、人にうつりやすくなったもの。 世界的流行(パンデミック)を引き起こす恐れがあり、対策が急務だ(朝日新聞08.2.9)。
(2) 新型インフルエンザの脅威
新型が発生すれば、何が起きるか。日本では国がWHOなどの資料をもとに行動計画をつくり、07年に発生時対応などについて、
対策ガイドラインをまとめた。
それによると、パンデミックで国内患者が出た場合、首相は非常事態宣言。渡航自粛や大規模施設、学校などの休業を求める。
入院先が足りなければ、ホテルなどに患者を集め治療する。
想定感染者は人口の25%にあたる3,200万人、 約200万人が入院、数週間の内に64万人が死亡すると推定する(推定の根拠は1918年~1919年に大流行し、
感染者の2%が死亡したというスペイン風邪のデーターに基づく)。
アメリカの研究グループが60年に発表した論文では、世界の死者は6,200万人にのぼるとしている。
国連のWHOは、世界全体で1億5千万人が死亡することを発表している。
(3) 新型インフルエンザが侵入する経路の想定
次に紹介するのは、08年1月23日の日本経済新聞の記事です。
20××年Y月、新型インフルエンザ発生が確認された。A国から一機の飛行機が、厳戒態勢の成田空港に到着した。 水際での侵入阻止を目指す日本政府は徹底した対応をとった。機長から「病人なし」との報告を受けても、厳戒は変わらない。 検疫職員が乗客を通常の検疫ブースとは別の場所に集め、一人一人健康状態の質問票への記入を求めた。 入国後の外出自粛や体調悪化時の連絡先も通知。マスクも配った。
そこにいたA国の男性の一人は体調不良を感じていた。日本国内で就労したいが為に、質問票で発熱の事実を隠し、 体温を調べるサーモグラフィー検査もすり抜けていた。電車で都内の知人宅に着いた途端倒れこんだ。 数日後、飛行機や電車内で男と同乗した日本人が次々と発病。新幹線や飛行機を通じて感染は瞬く間に全国に波及した。 首相を本部長とした「新型インフルエンザ対策本部」は、国内での流行開始を宣言する(以上引用終り)。
(4) 空気感染する猛毒性の新型インフルエンザ
人類がこの脅威に直面するのは初めてではない。20世紀だけで3回発生している。
1918年に流行し、世界で4,000万人を超える死者を出したスペイン風邪(H1N1)。
他に1957年アジア風邪(H2N2死者200万人以上)、1968年の香港風邪(H3N2死者100万人)。
いずれも鳥のウイルスが変異したものだが、今回のH5N1型は過去のものと比べても、毒性が極めて強く、くしゃみなどを介して人から人へと次々に感染する。
一人のくしゃみの影響の強さは、電車一車両分の人へ数秒以内で伝わるというから驚きである。
数日から一週間位の潜伏期間があるだから、行動力のある人ほど影響の大きくなる。
(5) 大企業では対応マニュアルをつくっている
新型インフルエンザが発生した場合、社員の安全確保と業務の継続を両立させる必要に迫られる。
海外に多くの社員を派遣する企業は政府の水際対策案を受け、対応マニュアルの見直しに着手した(日本経済新聞08.4.13)。
邦人帰国には、医師が同乗した政府専用機や自衛隊機を用いる場合もあるという(日本IBM)。
住友商事や松下電器産業のことが少し記載されている。感染国との定期便中止やチャーター便の進行を求められる日本航空は、
「いつ定期便を止めるのか、人道的な問題もある」と苦慮・・・。
このように感染者のいる国に住んでいる人、それらの人々と最も近くで接触する人々、
医師や看護師、警察官、自衛隊の人々は戦々恐々の日々となっている。
(6) 五輪を控えた中国では
中国では08年1月、南京市で人から人への感染事例が初めて確認された。これまでに中国では、27人が鳥インフルエンザに感染し、うち17人が死亡した。
3月12日、香港では鳥インフルエンザで学童4人が死亡したことを受けて、幼稚園、小学校が臨時休校した。700人以上の感染しているらしい。
なかなか真実がわからない国だけに心配は尽きないが、毒入り餃子事件から始まって、チベット問題で揺れ始めた北京オリンピックへの出場停止の風が、
新型インフルエンザの蔓延状況によっては決定的になる危険がある。
そうなれは中国国内では大暴動が起きるのみならず、世界の経済は空前絶後の危機的状況になるのではないか。
(7) 対策はあるのか
ワクチンの作製は、実際に新型が起こって、感染患者からウイルスを採取できるまでは不可能とされている。
現時点で作れるのは鳥インフルエンザの感染患者のウイルスを基にした「プレパンダミック・ワクチン」。
国は3千万人分を備蓄する計画のようだが、H5N1以外の型なら効果は望めないという。
ワクチンは水際で働く人々から最優先に用いられるのは当然のことで、庶民に回ってくるのには時間がかかります。
我々ができることは、危険地域に近づかないこと、食糧の2週間分の備蓄(輸入や物流に支障がでる)をすること。
まさにこれからは地震への備えと同様になる。情報通の人の間では備蓄リストが配布され対策をとられている。
以上、まとまりませんが連休を控えていることもあって、緊急性を感じましたので、最近の新聞をまとめて発信します。
2.復活の日
これは1980年6月28日東宝洋画系で封切られた映画の名前です。原作の小松左京氏は1964年に書き上げていたという。 その映画を見てショックと感動を同時に覚え、又今回的意義あることと考え可能な限り、書面にしてみたいと思います。
(1) 題名の上にVIRUSとついている
これが何か、初めは読み方さえわからなかったのですが、実はウイルスのこと。その名をMM-88と命名されている。
<ストーリーの紹介1>
ウイルス MM-88
1982年2月 東ドイツ・ライプチヒ
厳冬の東ドイツにある陸軍最近研究所からひとりの科学者によって新種のウイルスが盗み出されていた。
ウイルスの名前はMM-88、摂氏マイナス10度で自己増殖をはじめ、零度を超えると猛烈な毒性を発揮し、
そのときの増率はマイナス10度のときの20億倍になるという、恐るべき殺人兵器だった。
人間はもちろん、家畜・家禽・犬、猫を死滅させる力を持つ強靱の武器である。
1980年以来、遺伝子光学的走査による新種ウイルス創造の実験研究は、すべて世界的に禁止されたにもかかわらず、
米ソの核軍縮後の新兵器としてアメリカで開発され、それがいつの間にか東側にわたり、再び西側が奪還しようとしていたのである。
そして、魔法ビンでカモフラージュされ、ドライアイスに包まれていたMM-88は謀略機関の抗争の渦にまきこまれ、
アルプス上空にその消息を絶った――このMM-88に対する抑止ワクチンはまだ開発されていなかった。
西側のウイルス感染に関する権威・マイヤー博士は、ワクチン開発を急ぎつつ、この恐るべき怪物の真実を公表し、
全世界の科学者の力によって人類絶滅への対抗手段を考えるべきだとの判断を固めつつあったが、極秘作戦が露見するのを恐れた軍の手によって、
彼は精神病院へと送りこまれてしまう。ふたたびMM-88は闇の彼方へ完全に消されたかに思われたが・・・・・・。
(2) VIRUSの蔓延
スイスアルプスの上空で破裂した容器からMM-88は空気に乗って全世界へと飛散してゆく。
<ストーリーの紹介2>
最初の世界の死
1982年4月 カザフ共和国&江蘇省
災厄は確実にやってきた。ソ連のカザフ共和国、中国の農村で、家畜がバタバタと死んでいったのが皮切りだ。
イタリアでは赤ん坊が続々と意識不明のまま病院に担ぎ込まれていった。半狂乱になって病院に群がる母親たち。
赤ん坊の鼻や口に酸素吸入の管が次々と突っこまれてゆくが、それは空しい戦いであった。
やがて日本でも病院という病院はすべて患者に埋めつくされていった。
異常に高い死亡率のイタリア風邪といわれたが、大学病院医師・土屋や看護婦の則子らはただのインフルエンザと違うことを直感的に悟っていた。
全土に戒厳令が敷かれ、左右両派の激突、宗教団体の祈祷等々があったが、それもむなしく人々は次々に死んでいく。
土屋は「どんなことにも終わりはある・・・・・・ただ、どんな終わりかたをするかだ」とつぶやきつつ死んでいった。則子も絶望の海に身をまかせてゆく。
MM-88は完璧な殺人兵器だったのだ。
この場面から、患者よりも医師や看護師の働きがいかに大切であるかが浮き彫りになる。彼らがいなくなるとどうなるか。 この映画には出てこないが、治安維持にあたる最前線に立つ自衛隊員、警察官の働きも同様である。
(3) MM-88は細菌兵器であった
目的は明らかにされていないがフェニックス作戦は、結局人類を滅亡させることになる。生き残れるのは南極越冬隊だけであった。
南極はマイナス10度以下でMM-88が自己繁殖をすることができない無菌地帯となるからである。
この時人類はもう一つ大きな罪を犯していた。
アメリカの自動報復システム(ARS)とソ連の自動報復システムが完成していた。アメリカの統合参謀本部長は、そのボタンを押したがっていた。
<ストーリーの紹介3>
世界を誰の手に?
ワシントンのホワイトハウスではリチャードソン大統領以下、閣僚たちが世界の破滅をなすすべもなく見守っていた。
バークレイ上院議員によって、精神病院からマイヤー博士が救出され、<フェニックス作戦>と名付けられた細菌兵器に関する軍の機密、
MM-88の真実が知らされるが、すでに遅すぎた。トップシークレットの公表も世界の大国の誇りにかけて、出来るものではなかった。
マイヤーからMM-88の特徴を聞き出した大統領は、南極のパーマー基地のコンウェイ提督を呼び出し、南極にいるすべての人に、
人類生存へのメッセージを送る――「南極にいるすべての人々よ、その聖域を離れてはいけない。そして外部から近づく者を受け入れてはいけない。
またどんな事情があろうと、この汚れた世界に帰ってきてはいけない。諸君は人類最後の希望だ。
可能性だ・・・神が・・・諸君を守るよう・・・」大統領が命を失ったとき、ひとりの男に狂気が宿った。
彼はアメリカの混乱に乗じてソ連が核ミサイル攻撃を仕掛けてくるに違いないと確信していた。
統合参謀本議長・ガーランドである。彼はホワイトハウスの地下司令室に設置されている自動報復システム・ARSの作動装置のボタンに手をかける。
世界はいったい?
(4) 南極に残った人々
国境国籍を越えた人類としての生き残りをかけた英知が結集される感動的な場面である。
<ストーリーの紹介4>
グリー誕生
1982年10月 南極
世界は完全に死滅しようとしていた。南極に残った人々の中にも、それぞれの故国が壊滅したと知るや、絶望のあまり自ら命を絶つ者もいた。
しかし人類生存の希望を見つけ出さねばならない。パーマー基地にとりあえず各国の代表が集まってきて南極会議が開かれた。
11カ国、863人(うち女性8名)の生存が確認され、絶望の中に人類としての生命の模索が始められた。
その会議の最中、ノルウェー基地にひとり生き残った女性隊員マリトが女の子を生んだという知らせが入る。名前はグリー。
ノルウェー語で新しい日の到来を告げる朝日のことだ。南極に残された人々に新たな希望が浮かんだ。
南極会議の結果、新しい政府として<南極連邦会議>が生まれる。ともかく各国隊員は協力して生存のために努力を続けることになったのだ。
女性隊員を核とする主の保存策が最初の決定事項となった。南極の人々にとって最初の試練が訪れる。
ウイルスに感染したソビエト潜水艦が上陸を求めてきたのだ。彼らは南極連邦会議の制止もきかず、強行上陸しようとする。
付近にいたイギリス海軍の潜水艦ネレイド号がソビエト艦を撃沈した。ネレイド号は原子力潜水艦で、半年以上も潜水任務についていて、
MM-88に感染していなかった。マクラウド艦長らは南極にむかえ入れられる。わずかだが、南極連邦に仲間が増えた。
(5) 二度目の世界の死
まことに愚かなことだが、統合参謀本部長が-ランドのMM-88に感染して死ぬ瞬間の前に、アメリカのARSのスイッチを入れる。
このことが1年後に南極の人々に分かる。更に大地震が起こり、その振動によってARSが作動することが分かる。大地震を予測したのが日本人の吉住である。
勇敢に出てゆくのが、アメリカ人のカーターと日本人の吉住(草刈正雄が演じる)。
ワシントンはまだMM-88で感染されているという恐怖があったが、この時点で実験段階でのワクチンが完成していた。この二人が最初の人体実験者となる。
<ストーリーの紹介5>
二度目の世界の死か?
1983年 南極
潜水艦同士の悲痛な死闘から1年過ぎて、再び南極は危機をむかえつつあった。
元アメリカ国防情報部参謀だったカーター少佐とマクラウド艦長の調査によって、アメリカの核報復システム・ARSが作動状態になっていることが分かり、
さらに吉住によって、ここ近々に北米大陸をマグニチュード8以上の大地震が襲うことが予測されたのだ。
アメリカのミサイルはソビエトを襲い、またソビエトの全報復ミサイルが反撃するのは明らかだった。そのひとつは南極のパーマー基地にむかうというのだ。
決死隊をワシントンに送り込んでARSの作動を止める以外に方法はない。しかしまだ南極以外の土地はMM-88に汚染されていた。
南極のウイルス・ワクチンの専門家・ラトウール博士の研究も進められ、強い放射線によって生まれた抗体が発見されてワクチン製造への足がかりは出来ていたが、
本当に人体に効くかどうかは不明だった。
しかし、誰かが行かねばならない!ARSの在りかを知っているカーター、そして吉住が志願する。
「そのヒョロヒョロした体じゃ、足手まといになる」とカーターは一蹴するが、吉住の決意は固かった。ふたりはラトウール博士の実験ワクチンを抱えて、
人類の生を守るための死への旅立ちを準備する。出発の前夜、吉住の部屋にはマリトがいた。「こんなに愛しているのに・・・」ふたりの激情がせきをきって溢れる。
悲しい別れの日が来た。マリトら女たちと子供たちは、最悪の事態を逃れるため砕氷船で別の基地へむかう。
吉住とカーターを乗せたネレイド号はパックアイスをきしませて動き始めた。別れの汽笛の応酬。「あの人は死なない・・・きっと、きっと帰ってくる」マリトがつぶやいた。
(6) 間一髪、間に合わず
戦争を前提とする軍備は仮想敵国を滅亡させようとする。相手国も同様に軍備をもつ。
そのことによって愚かにも人類が滅亡する瞬間をこの映画は如実に写し出している。
ソ連のARSが南極のパーマー基地を狙うことがわかっていたので、女性と子供たちは基地を離れる。
彼らも核の被害は受けるが、身も心もぼろぼろになりつつも生き延びる。
<ストーリーの紹介6>
大地震&核戦争
「ウイルスまじりの空気にしちゃ、ちょっといけるぜ」・・・ワシントンのポトマック河口に到着したカーターと吉住は潜水服に身を包んで上陸した。
いたるところに白骨死体が転がる中を、ホワイトハウスにひた走る。すでに大地震近しを告げる予震が彼らの体を揺すっていた。
地下司令センターに通じるドアをプラスチック爆弾で吹き飛ばした瞬間、大きな予震が建物を揺るがせ、カーターは無惨に吹っ飛んだ。
ニブく点滅を繰り返すARS装置のスイッチに吉住が飛びついた瞬間、無情にも「発射」の赤色のランプが輝く。
「駄目でしたよ・・・マイ・フレンド」吉住は品詞のカーターに力なく語り号泣する。
* **
世界は二度死んだ。
そして数年の歳月が流れた――獣はおろか鳥の影さえない荒蓼たる死の世界を行くひとりの男がいる。
陽炎にもまれるように揺れながら、南へ、南へと一歩一歩杖でさぐり、進んでゆく。
顔は蓬髪と髭に蔽われ、衣服はボロボロに裂け、素足にはいた靴も原形をとどめていない。
南へ、南へ――ハイウェイを越え、砂漠を渡り、雪渓をはいずり、・・・彼は行く。「南には・・・仲間がいるんだ・・・」
ストーリー紹介は私が買い求めたDVDに添付されていた、この映画の解説から引用しました。
内容がわかっていても何度観てもいい作品です。
