2008年1月号 第251号
挨拶
御賀状いただきありがとうございます。
返事が遅くなりお詫び申し上げます。
ベストピア251号にて御礼申し上げます。
新しい年も益々ご健勝にてご活躍なされますことをお祈りいたします。
このベストピアは顧問先様へ送付している個人誌ですが、長年にわたって1月号に限り、御年賀の返礼をさせていただいております。
くしくも本号をもって郵送を終了し、来月号からはホームページ(www.bestopia.jp)、に掲載いたします。
興味ある方はアクセスしてくださいませ。
ありがとうございます。
実感ユーロの強さ
1 ウィーンでの元旦
二年続けて元旦をウィーンで楽しく迎えることができました。ジルベスターコンサートを楽しみ、
元旦にはベートーベンの第九を聴き大満足,幸せ感にひたれるいい旅に恵まれました。
ジルベスターとは大晦日の意味ですが、同じコンサートが二日連続で行われますので、
日本に戻るとある種の錯覚を覚えます。それも嬉しさの現れと思いながら、録画してあるDVDをみて喜ぶ単純さも善しとします。
世界中に放映されて余りにも有名ですが、気軽に聞けるシュトラウス家の音楽です。
美しき青きドナウのワルツを演奏するときは毎年なにかユーモラスな仕掛けがあります。
今年はウィーンとスイスでユーロ2008年サッカーが開催されることから、
指揮者がサッカーボールをもって指揮をしたり、コンサートマスターが指揮者にレッドカードを差し出したり
する愉快な場面があり世界中から来ている聴衆を楽しませてくれました。
今年はロシア、東欧からの人が多かったようです。
ハプスブルグ家の拠点であったウィーンは多民族国家であった伝統が町並みにも現れており、
落ち着の中にも変化が調和的に感じられ居心地のよい所です。
ウィーンのニューイアーコンサートのチケットは入手が難しいと言われています。
今年の私のフィーは券面価格580ユーロ 約95,000円でした。座席の位置はあまりよくありません。
二階の後方で全体を見ることはできません。
しかし黄金の間と言われるほどの絢爛豪華さと音の良さは気分をよくしてくれます。
ウィーンに入る前にベルリンで、サイモン・ラトルの指揮するベルリンフィルを聞いて、
ウィーンとの比較を主観的にすることができるのですが、音の暖かみ柔らかさはウィーンだと感じています。
コンサートのある楽友協会の建物は1870年であることに驚きを禁じえません。
2 ウィーンあんどウィーン
戻りましてテレビの番組をみて感じたことはウィーンに関することが非常に多いということです。 何故なのか?サッカーが強いとは思われないウィーンでの開催は何を意味するのか。 地図を見てみるとウィーンはヨーロッパの中心にある、ハプスブルグ家の最盛期の支配領域に匹敵する EU加盟国、そのEUがリスボンで批准した新基本条約に基づいて2009年1月1日選び出されるかも しれないEU大統領のこと等との関連を勝手に思い巡らせて興味を募らせております。 1月5日NHKの探検ロマン世界遺産 幻想のウィーンの番組の終わりのところで、 ハプスブルグ家の末裔の方が現れ、ハプスブルグ家の崩壊はもっと理想の高いヨーロッパの統一の ためにあったと言ってEUの拡大に尽力しておられる映像がありました。 私の長年の疑問に少し光が当たったように考えています。
短い滞在ですが、ユーロの重み、ドルの弱さ、円の弱さ(出国時1ユーロ=169.24円、
成田でしたが現地では172円以上になっていました)1ユーロ=1.5ドルに迫る勢いを実感しました。
2002年1月1日私はミラノでユーロ切り替えを見守ったのですがその時1ユーロ=0.97ドルでした。
6年間で1.5倍の格差がついていることが事実なのです。
円の安さは悲劇的です。500ccの水が300円前後、消費税は19パーセント。
安い水を求めて彷徨いますと、チョト危険を感じる場所でした。
ドル安は円高という米国を機軸とした対概念の世界はもう過去のもの、中国もドル離れを始めています。
賢明なる日本のリーダーに何を期待することができるのでしょうか。
3 コペンハーゲンで驚いたこと
私の旅は特典航空券の活用です。年末年始は思うようなルートは選べません。 6ヶ月前の予約で取れたのが、コペンハーゲン経由ベルリン-ウィーンのビジネスクラスでした。 そのお蔭で久しぶりに北欧に一泊できました。
空港から列車で中央駅へ移動、キオスクで水を買って大驚き、18クローネ、450円、 消費税25パーセント高いとは聞いていましたが、予想をはるかに上回り、財布の紐を締めなおし、 懐かしいチボリ公園のネオンを横目にしてロマンチックな気分を取り戻して歩き始めました。 午後4時ですが夜の闇の中に変な看板が光り輝いている。足は自然にそちらに向かう、 看板はWAGAMAMA 何と読むのだろうか好奇心が疼く、店の前に来て又ビックリ その店はラーメンと 餃子のファミリーレストランで、大繁盛、順番待ちの行列ができており、その殆どが家族連れ、 子供たちがはしゃぎまわり賑わいの空間が北欧の夜に暖かく和やかないい感じをかもし出しています。 外国に行くと勇敢になる私も列に並びました。案内係に一人であることを告げる。 嫌な顔はしなかったが明確な返事がなく少々不安な気持ちで周りを見渡しながら待つのも 旅の楽しみの一つ、周りの子供たちに適当な言葉がけをしたり、和やかな気持ちもメニューを見てビックリ、 ここで戻っては日本人の誇りに傷がつくなんて考えているうちに間違いなく順番がやってきて、 私のために一人席を作ってくれ注文係に繋いでくる。この案内係がこの店のKEY MAN女性で、 キャシャーを兼ねている。長い行列のため厭き始めている子供に声をかける、笑顔を絶やさない。 食卓の空き皿を下げるタイミングは早からず遅からずてきぱきさが美しく光っている。 値段の高さは判った、味に期待をして注文した内容は、Wagamamaラーメン99クローネ、 餃子5個 50クローネ、250ccビール 35クローネ 合計184クローネ=25.38ユーロと両方の 表示がありました。チップを入れて200クローネ(約5,000円)を払い、明日の空港までの電車賃を 残しておかねばならないのでタクシーに乗らず日ごろ鍛えた足を使ってホテルに向かいました。
このレストランで学んだことは、(1)箸の文化が定着していること。
子供たちが日本の若者より上手に箸を使いこなしている光景はほほ笑ましく感じました。
(2)物価も消費税も高いにも拘らず何でみんなが楽しく団欒できるのだろう。
貯蓄は出来るのだろうかと言う疑問がわきましたが、答えはここはデンマーク、
社会保障の最も行き届いている国、老後の心配の無い国であることに思い当たり納得、
日本も税金の使途が明確になれば国民も消費税のアップをみとめるだろうなぁと--誰かが潔癖な
政治をスローガンにしなければならない。
しかし、誰もそれが出来ないところが問題なのだ。問題は単純で政治の入り口にあるのです。
(3)Wagamamaの領収書を見るとユーロの表示がある。
デンマークは一度EU加盟を国民が拒否している国、にも拘らずユーロがレストランで
使えるということは近い将来北欧3国もユーロ圏になることを意味しているように思える。
翌朝ホテルの周りを散歩して又新しいことを発見、駅前にアフガン市場、タイ市場、
中国市場があってみんな忙しそうに入荷の紐を解いている。難民を受け入れているのだろう。
これだけ異国民が一箇所に集まると独特の雰囲気をかもし出すことになる。昨夜から感じていた。
裏駅と表駅との雰囲気の違いも納得した散歩でした。
4 よく働く北欧のCA
CAとはキャビンアテンダントの略で古くはスチュワーデスのこと。
男女均等の扱いから生まれた新しい言葉です。
コペンハーゲンからベルリンは僅か55分の国際線で厳しいパスポートコントロールがあります。
搭乗手続きをする、機内に誘導するのも彼らの仕事。
機内では新聞を配り、我らビジネスクラスの8名の乗客には食事のサービスをしなければならない。
客はワインの要求も当然のようにすることが出来る。エコノミークラスにはお茶のサービスをする。
僅か3人の CAで100名の世話をします。
組織的な段取りと彼らの手際よさは芸術の如しの感ありで感心の連続でした。
圧巻はラストシーンとよく言われますが、正に、飛行機を降りようとした時、
最年長の年の頃60歳の女性が ちょっと待ってと私に合図をする。
何をすると思いきやタラップをおろし始める、外は小雪が舞っている凍てつくような寒さの中、
彼女はやっとの思いで片方だけ手袋をはめ作業を続ける。
タラップを降ろし終えて更に自分で乗り降りを試みてOKのサインを先頭の私にだす。
日本では花形職業といわれていますが、SASの彼らの働きは日本では考えられそうもありません。
航空業界の競争の激しさを垣間見た一瞬でしたが、
EU内ではナショナルフラッグの統合もニュースになっています。アリタリアがエアーフランスに合併されるとか。
5 パスポートは落としたか
一人旅の怖さは忘れ物、注意してくれる人はいません。完全な自律が必要です。
その為に、整理整頓をして段取りを万全にしておかなければなりません。
かなりの訓練はしていますが今回もヒヤッとすることがありました。
余裕を持って2時間前にチェックインを済ませ、ラウンジで新聞を読んだり、
人々をウオッチングして楽しんでいたところ、搭乗前15分に気づいて急ぎだす。
搭乗口で航空券とパスポートの用意が必要そんなことはとっくに終わっていると
鷹をくくっているとパスポートが無い!!
先程までの余裕は一瞬にして狼狽に変わる。周りを気にすることも憚らずポケット鞄を探し始める。
慌てふためく自分がよく見える、顔面蒼白になっている。落ち着け落ち着けと自らを励ます、
列にはもう5-6人しかいない。その間の思考は、行動の振り返りです。
一番最後にパスポートを使ったのはどこか?そこから今まで人と接触したか?
していない--盗難の気配はない--置忘れ--その場所は?
-パスポートコントロールの所--ここから往復30分--絶望的--成田からベルリンに
直行している荷物も万事窮すか?何と搭乗係り伝えようか?
その時何故か手がお尻に行った。私は殆どお尻のポケットは使わない。
一番危険な場所と決め付けているから点検をすることすらしないのも当然の事だった。
お尻に何かある。パスポートの大きさの何かだ。
歓喜そして安堵、鞄のファスナーを閉じる暇なく搭乗しようとしたその時、
足元に誰かの財布のようなものが目に入る。拾うべきか拾わざるべきか迷う。
落し物を拾うということは実に面倒なことになる場合があることを知っている。
見ない振りをしろとの命令が聞こえる。
しかし、それを拾うのが私のいいところ。
殆ど最後の搭乗者、「誰かが財布を落としたようだ」と搭乗係りに伝える。
やれやれ私は搭乗できたが、飛行機はすぐには飛び立たない。
先程の財布の所有者確認をしているらしい。青年が最後に息を切らしてやってきた。
慌ててはいるが自分の財布らしきものが発見されたということは判っているらしい。
自分自身を見ているようで気の毒感とユーモラス感の混じった感じで複雑な気持ちで
コペンハーゲンを後にした次第です。
今回の旅ではなく、四年前のベルリンでの出来事を思い出しました。
博物館島から歩いて旧東西ドイツの境目に近い駅付近で、
4人の少年からワァーと声をかけられ近くまで寄って来られ、持っていた鞄で防御したことがあります。
体に触れられたことはないが、一応身の確認はしてホテルに戻り、
一時間位して鞄を整理しはじめてビックリ、私の鞄の中に、見覚えのない財布があるのです。
ポーランドの女性のパスポートで、子供さんの写真が入っている。現金は当然のことありません。
サァーどうしよう?警察が絡むのは厄介なことになる。説明も大変だ。捨てる訳にもいかない、
何かの事情で子供を祖国に残し出稼ぎに来ていると想像すると胸が熱くなり、
迷わずにフロントに相談しにいく。答えは簡単--よくあること--私の取り越し苦労に過ぎなかった。
これも安堵の瞬間でした。
一人旅はスリリングですが自律の訓練にはこれ以上のものはないと思って次の旅を考えるのも又、
楽しからずや。
6 整理整頓の原則
パスポートの一件から反省して学んだことは「整頓に例外はなし」を再確認し、
即実行するということ。
なぜいつもすることのない行動(パスポートをお尻のポケットに入れる)をしたのか。
原因はパスポートコントロールで上着もベルトもはずされ、混雑する検問所で上着も着る間もなく、
手にしているパスポートをどこかに仕舞わなくてはならない事態になったので無意識にとったことにある。
対策、どんなに混雑していても慌てていても、まず上着を着て決めてある内ポケットに入れる。
「整頓に例外なし」これこそが最良の段取り原則であり、
自律するために必要な原則であることを強く認識したところです。
整理は例外の連続、整頓は例外なし。これは時間を効果的に使うコツです。
旅からの学びは少なくありません。
7 お知らせ
本号をもって郵送を中止いたします。
興味のある方はwww.bestopia.jpにアクセスしてください。
税務のお知らせは別途いたします。
