2007年6月号 第244号
健康法いろいろ
(1)出会いが知慧になるとき
若い時に出会った(あるいは学んだ)ことで、忘れていることは多いものですが、必要な時にはそれが知慧となって、
必要な時に顕現することは少なくありません。
今月私が再会したのは、1991年1月のBestopiaです。それは一冊の本の中からひらりと出てきました。
本の名は、万病を癒す丹田呼吸法(医学博士 村木弘昌 1984年出版)。この本の中からもう一枚の資料が出てきました。
それが塩谷信男先生の講演メモでした。10年前に先生を熱海でお迎えし、東京までご一緒したことを想いだし、
塩谷式正心調息法の再開始を宣言する意味を込めて、ここに改めて紹介することにしました。
(2)塩谷式正心調息法の概要
http://www.seishin-chosokuho.net/sch-tokucho.html
■正心調息法の特徴
正心調息法は、内科医であった塩谷信男博士が、子供の頃の病弱な体質を改善するために、様々な腹式呼吸法を体験しながら、
自らに最適な手法を探っていった結果、創り上げられたものです。
60歳の頃には一応の完成を見ていたようですが、とくにそれを人に伝えようとはされていませんでした。
ところが91歳の誕生日の時、突然この呼吸法をこのまま墓場に持っていってはいけない、という思いに駆られ、
それからこの呼吸法に関する著作・講演等の普及活動をはじめられることになります。
特徴としては次のようなものが挙げられます。
1)根源的で簡易な呼吸法である。
2)呼吸のステップの中に願望実現のためのアプローチが組み込まれている。
3)近年注目されている健康に関する手法が、自然に組み込まれている。
4)実修するに当たって、細かな禁止事項とか強制事項がない。
5)難行苦行を要求しない。無理をしないことが原則。
それぞれの項目について、簡単に説明していきます。
■正心調息法は根源的で簡易な呼吸法
「息をする」「水を飲む」「食べる」という人間の生存に関わる次の3つのことのうちで、それを全くしない場合、
死に到る時間の最も短いものは、ご存知の通り「呼吸」です。つまり、呼吸というのは、人間にとってそれほど根源的な機能です。
しかも呼吸によって摂取する酸素は、生命にとって根源的であるが故に、水や食物よりも遍く存在しています。
また眠っているときを考えれば明確なように、「飲む」「食べる」というのは無意識には行えない行為ですが、「呼吸」は無意識にでも行える行為です。
つまり呼吸というのは、根源的でかつ不随意筋の支配も受けて無意識でも行える行為であるが故に軽視されがちな機能であると言えます。
正心調息法は、その最も根源的な機能である呼吸を、塩谷博士が「単純なものは万能である」という信念の元で創り上げた、
最も簡易な方法で実践できる腹式呼吸法です。
とくに呼吸のステップの中に「小息」という中継ぎの息を組み込むことで、他の呼吸法に比べてとても実践しやすい手法になっています。
■呼吸のステップの中に願望実現のためのアプローチが組み込まれている。
「吸息(息を吸う)」「充息(息を止める)」「吐息(息を吐く)」という各ステップに対応して、言葉や文字の力(想念)、
想像力やイメージ力(内観)を組み込み、それらを全て過去形、または過去完了形で断言する形を取ります。
そのことによって、宇宙無限力を取り込み、健康に限らず自らの願望実現を図ることができます。
■近年注目されている健康に関する手法が、自然に組み込まれている。
近年、口呼吸の弊害が花粉症や自己免疫疾患の関係で叫ばれるようになってきています。
また、更年期障害の予防、改善、尿失禁とか冷え性の改善に絡めて「お尻すぼめ」の手法も、健康雑誌などでも取り上げられるようになってきています。
正心調息法には、「鼻呼吸」とか「肛門を締める(お尻すぼめ)」とかの方法が、そのステップの中に自然と組み込まれています。
■実修するに当たって、細かな禁止事項とか強制事項がない。
正心調息「法」というからにはもちろん基本的な原則、パターンはあるわけですが、あまり細かなところで「ああしろ」「こうしろ」という制約条件はありません。
例えば、実修する時間帯。
朝でも昼でも夜でも、実修中に邪魔が入らない時間帯ならいつでも構いません。
他の呼吸法でよく指示される、呼吸を始めるに当たっては「まずは吐き切ってから」ということや、
呼吸の途中でも「吐くときにはお腹を凹まして吐き切る」ということも必要ありません。
※ただし気をつけていただきたいのは、始めるときに吐き切ってから「やってはいけない」ということではありません。 その方がやりやすい方はそうすればよいだけのことであり、万人に強制する必要はないということだけです。
吸うのは何秒、吐くのは何秒というような時間的な目安もありません。仮にでも具体的な数字を挙げてしまうと、 それにこだわる人が出てくるから避けなさいと、博士は言われています。呼吸の長さは人それぞれであるから、自分のペースで実修するのがよい。 継続して実修していくうちに、自然と長くなってくるものだというのが博士の考え方です。
■難行苦行を要求しない。無理をしないことが原則。
正心調息法は「無理をしない」「頑張らない」というのが原則です。
「吸息⇒充息⇒吐息⇒小息」の切換も、「苦しくなったら」ではなく「苦しくなる前に」次のステップに移る、というのが原則。
呼吸法を実践すること自体がストレスになってしまったのでは本末転倒です。
正心三原則のうちの一つ「愚痴を言わない」も、「言ってはいけない、言ってはいけない」などと心に溜め込んでしまっては、かえって身体に悪い。
口に出して、さっと忘れてしまう方が良いことになります。
正心調息法は1日に25回というのが目安になりますが、これも今日は20回しかできなかったとか、忙しくて1回もできなかったなどとクドクド悩むのではなく、
次の日からまたやり始めればいいということです。
(3)塩谷式正心調息法の実修方法
http://www.tomeisha.com/shioya/kenkou.html (塩谷先生の話された概要です)
これは一種の呼吸法である。正しい心の便い方と、特殊な呼吸法とから成り立っている。まず正心から述べる。
正心
心の正しい使い方である。心の正しい使い方は沢山ある。この場合は次の三つを実行する。
1、物事をすべて、前向きに考える。したがって行動も積極的になる。
2、感謝を忘れない。
この心掛けをもっていれば、身の周りには、感謝するのが当然なことが沢山あることに気がつく。
初めはさほどに思わないことでも、感謝の癖がつくと、「ああ有難いな」と心から感謝するようになる。
3、愚痴をこぼさないこと。
世の中には、自分にとって無駄なことはないものだ。損になることでも、害になることでも、苦しまされることでも、
じっくり見つめて考えると、そこから得られることのうちには、必ず学ぶべきこと、為になること、参考になることがあるものだ。
繰り返して言うが、人生には無駄はない。
調息法
これは一種の腹式呼吸法である。昔から我が国にはいろいろな呼吸法があるが、たいていは腹式呼吸法である。 しかしいずれも、みな不完全な方法である。それにもかかわらず、いずれもそれなりの効果を挙げてきた。 ここに述べる方法は、ほぼ完全に近いと考えている。
私はいろいろな方法を研究した結果、この結論に達した。したがってこの調息法だけを実行しても大きな効果をあげることが出来る。 すなわち健康獲得と痴果症予防とに偉功を挙げることが出来る。その効果の挙がり方は、継続するか否かに係っている。では次にその方法を述べる。
1) 姿勢
背筋を真直ぐに伸ばして坐る。肘を直角に曲げて両手を組む。丸い玉を包むように組む。これを鈴の印という。
両限を軽く開じる。坐り方は、正坐、椅坐、扶坐(あぐら)、と、どれでもよい。ただし、仰臥のときは、両腕を体側に伸ばし、 掌を下に向けて床面(敷き布団)につける。病気や老衰のために坐れない人の場合のみ。椅坐の時は、背を背もたれに、もたせかけない。 両肚を肚掛にのせない。あぐらの時は、座布団を二つ折りにして尻の下に敷くとよい。
2) 息法(呼吸法)
吸息(息を吸い込む) 鼻から静に息を吸い込む。胸一杯に、肺の底(下部)まで吸い込む。
充息(息を止める)
吸い込んだ息を下腹(丹田)に押し込む。同時に肛門を閉める。
丹田に力をこめ息をとめたまま、数秒ないし十秒くらいこらえる。
吐息(息を吐き出す)
鼻から静かに息を吐き出す。腹の力を静かに抜く。腹を凹ます。
小息
小さな呼吸を一つする。
3) 想念(心の力を使う)
吸息の間 宇宙の無限の力が、丹田に収められた。そして全身に満ち渡った、と念ずる。
充息の間 全身が全く健康になった。○○病が治った。と2-3回念ずる。
吐息の間 全身がきれいになった。芯から若返ったと念ずる(若い人は不要)。
以上を五回繰り返す。つぎに○○病をXX病に代えて五回、さらに◇◇病に代えて五回、さらに◎◎病に代えて五回。計二十五回繰り返して終わる。
これが基本であるが、病気のない人は「全身が全く健康になった」と二十五回繰り返す。病気が五つ無い人は、
どれか一つ或いは二つを重複させて、総計で二十五回繰り返せばよい。治したい病気がもっとある人は、一つを五回ずつ繰り返して、
結局何回繰り返してもよい。
4) 静息(静かに呼吸する)
二十五回呼吸し終わったら、丹田に軽く力をこめたまま静に、ゆっくり十回呼吸する。
この時想念を止めて、いわゆる無念無想の境地にはいってもよい。また自分で公案をつくってもよい。
この呼吸法に馴れてくると、二十五回の呼吸を終わると、心身に気力が充実し、気分が爽快になってくる。
またドッシリ落ち着いた気分になり、このままもっと坐っていたいような、何とも言えないいい気分になる。
そんな時は気の済むまでそのまま続けてもよい。この時間は自分の自由裁量の時間だから思うように清用したらよい。
(注意)老人や病弱な人は、一度に二十五回繰り返すのが困難なことがある。 その時は、何回かに分けて、時間をおいて、行い、合計で二十五回になるようにしてもよい。
⑤ 内観(心の限で視る)
想念を心眼で視るようにする。
例えば、膝関節炎が治ったと念ずる峙、膝の病気がすっかり治って、颯爽と道を歩いている姿をイメージする。
不眠症の人なら、床の中で、グッスリと熟睡している己の姿をイメージする。
鈴の印の組み方
両手掌でゴム鞠を包むような気持ちで組む。
両手甲は垂直になる。栂指が重なるが、利き手の方が上になる。四本の指は揃って、利き手の方が垂直になり、反対の四本の指は水平になる。
この印の組み方は、大峯山の高次元界に棲む老仙から、み魂鎮めの行を伝授ざれた時に教わったものである。
鈴の印の意義。行の時、天意を受ける形だと教わった。
私の考え。利き手に頂いた分を対者に頒ち、反対の手にいただいた分を己が頂く。内修外慈の相。
(4)塩谷信男先生とゴルフ(エイジシュート)
1920年(明治35年)3月、山形県生まれ
正心調息法が有効なことを証明するために、100歳まで生きると断言し、2002年3月に見事に達成(現在105歳)。
ゴルフ 60歳の時ハンディ13、そこで一念発起してシングルプレイヤーを目指して、65歳でハンディ9、翌年70歳でハンディ8になる快挙。
92歳を過ぎてから年齢にふさわしいスイングを完成しようとフォーム改善に走ったということ。博士に有名なエイジシュートは87歳の時に83打、
92歳の時に92打、94歳の時に94打と3回達成されています。
